ディープチャイナ VS 日本の中華料理 その1 大阪八宝亭

 先日のニュースで横浜の聘珍楼が倒産したと聞きました。あの周富徳総料理長を有した天下の中華料理店が潰れたのはショックでした。原因は団体で来るお客さまが減ったということと最近中国の地方料理の美味しいお店が雨後の竹の子の様に出てきたことにあると書いておりました。ではこのディープチャイナの襲来の前に日本の中華は消えるのでしょうか?今年で創業55年の大阪市西成区玉出の中華料理 八宝亭を訪ねました。

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 私が調べたかったのは、この日本市場に於いての中華料理の傾向です。聘珍楼クラスの店が潰れている中、生き残っている中華料理はどういった料理を出し、お客様はどんな料理を好むのかなのです。今回通訳案内士仲間の国島康生さんの協力で、ご実家が経営している中華料理 八宝亭の内容を調査しました。ここは55年間地元から愛された本当にディープなお店です。結果的にはディープであれ、日本の中華であれ、先進の味と流行を掴んだ料理が勝つということです。八宝亭は如何でしょうか?一緒に見て見ましょう。美味しいものを食べたい方はこちら

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 1階は12名の椅子席と奥に座敷があります。1階はネットで公開してます。2階もありますが、ここ地元の馴染み客が使う円卓のある座敷です。壁に沢山色紙が貼ってますが、大阪の落語会の御用達のお店の様です。五代目桂文枝師匠以下落語界の重鎮の名前が連ねております。家飲みがしたい方はこちら→未来日本酒店オンラインストア

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 これがメニューですが、定食類が大変多種に渡ります。これを一品化つまり飲茶化して、アルコールや非アルコール飲料とセットにすれば十分飲茶セットとして売り出せるのではと思います。昼の定食つまりサラメシは充実しております。価格も非常にリーズナブルです。

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 では飲みながら食べる時の料理はどのような物なのでしょうか?まず初めに生ビールを頼みました。枝豆はどこもあるものです。ピータンはどうですか?との悪魔の声がしましたが、この悪魔の食べ物を食べると病みつきになるので、今回はパスしました。ピータンはアテとして素晴らしいですが、そのカロリーは悪魔的な数字なのです。

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 次に野菜炒め(炒素菜)と酢豚(古老肉)が来ました。国島さん曰くこの2種類は、やはりディープチャイナ系のお店の影響を受けているそうです。ここの料理長や社長は研究の為時々島之内に行くようです。紹興酒があれば食がますます進みそうな感じになってきました。

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 次に来たのは鳥唐。ここの鳥唐はまず大きい。鳥天(鶏肉の天ぷら)の様な大きさです。味はジューシーです。これはビールの宛てに最高ですね。鳥唐は八宝亭の看板商品だそうです。

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 先代長女の国島喜代子さんは国島康生さんの奥さんです。八宝亭自慢の野菜餃子。王将の餃子は垂れ無しでは食べれませんが、この野菜餃子は垂れ無しで美味しく食べることができます。勿論特製たれも付いております。酢醤油たれを作っても構いません。

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 これは昔ながらの麻婆豆腐です。懐かしい味です。最近は陳麻婆豆腐系のスパイス一杯のものが主流ですが、本物を四川の成都で食べた時は口からファイアー状態でした。顔面が麻痺しました。日本の麻婆もだんだん近くなりつつありますが、原形の味は上記です。

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 お腹が一杯になってきました。ここでハイボールを片手にチャーシューを抓みます。話が弾むうちに八宝亭特製野菜ラーメンが出てきました。このラーメンは朝から大量の野菜を煮込んで作るそうなので、時間によってラーメンの味が異なるそうです。サラメシの時間はあっさり、夕食には濃厚な味が、夜更けのラーメンはやはりコッテリだそうです。こってり半ラーメンを頂きました。

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 奥さんはパティシエの免許を取得され、高級中華で出すようなデザートを作ります。玄関のショーケースにはプリンとアップルパイが並べてあり、地元では人気商品だそうです。これはお土産に最適です。

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中華料理 八宝亭 住所 大阪市西成区玉出中1-13-22 06-6651-1568 地下鉄四つ橋線 玉出駅1番出口から徒歩約3分 営業終了時間21:00