日本のお酒について

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 私の独断と偏見ですが、世界的に見ても美食で有名な所は限られると思います。アジア地域と地中海西北部に偏在しており、日本は数少ない美食地帯の一つなのです。その他の場所は美食はあっても単品で地帯になっておりません。また美食には美酒があります、この二つは車の両輪の様に共存してると思われます。日本酒が飲みたくなった方はこちらからどうぞ。

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 では日本の美酒ですが、多種多様と言って良いと思います。スーパードライやキリンラガー等を筆頭とする日本のビール、2大メーカーに続けとばかり快進撃を続ける各ウイスキーメーカー、ワイン先進国に近づきつつある日本のワイン、九州を中心とする各種焼酎メーカー、そして本命はJapanese Sake、これは日本酒を指します。お酒のおつまみが欲しい方はこちらへ。

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 日本酒は製造者側から分けると吟醸系や純米系等等となりますが、飲む方からすれば美味ければ良いのです。美味いかどうかは共に食べる料理によって決まると言っても過言ではありません。日本中飲み歩きましたが、各地には星の数の様に美味い酒があり、それぞれの地元の料理と密着してます。吟醸系か純米系ですが、以前は大吟醸に嵌った時もありましたが、今は飲んでみて決めております。飲みに行きたくなった方や外食がしたくなった方はこちらへ。

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吟醸酒を作っている酒蔵で通訳をしていた時に、「この酒は100%米から出来ております」との説明があり、私が「すみません、吟醸にはアルコールが入ってませんか?」何て聞いてしまいました。杜氏さんから「その話は後でするので、言った通りに訳して」なんて言われて訳しましたが、あの後の説明は試飲会に紛れてどこかへ行ってしまいました。恐らく純米大吟醸の商品がありましたので、そのタンク横での説明だったと思います。

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 四国をお客さんと廻った時に、「味のある酒を飲みたい」との要望を受けました。どうも香川の軽いお酒が合わなかったようです。広島の重いお酒で納得して貰いました。それについては後述します。フランスのワインと同じように日本酒にも重、中重、中、中軽、軽の味の濃さの段階があると思います。ステーキにはバーガンディ地方の赤ワインの重いもの、海鮮にはシャンパーニュ地方の白ワインの軽いものなんて時代もありました。

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 大学の体育会系課外活動で一気飲みをしてました。当時は質より量の時代でしたので、剣菱の様な重い酒に抵抗を感じながら飲みました。社会に出てから解ったことは北陸以北の特に日本海側と北海道の酒が軽くて飲み易いという印象でした。新潟の越乃寒梅や八海山は白ワインの軽いものと同じように感じました。それに比べ関西以西の日本酒は重いフルボディーなのです。NHKのマッサンでピン子がシャーロットを虐めた実家の竹鶴もフルボディーです。しかしこれがなぜか瀬戸内のあっさりした海鮮に合うのです。先程の中国のお客様も竹鶴で満足しました。

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 軽い方で言えば、新潟の代々泉と12月に出回るブリトロ(ブリの腹部)は最高の組合せでした。北海道の千歳鶴といくら。石川の手取川と越前蟹やのどくろ。少しガツンと来るのですが岐阜の天領と朴葉焼きやヤマメ焼き(中重か?)。高知の酔鯨、司牡丹、船中八策、土佐鶴と鰹の叩き等土佐料理。なんぼでも飲めそうです。冷でも燗でもその日の気分で変えます。

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 九州の焼酎は日本酒と異なり蒸留酒です。この製造方法の違いが外国のお客様に対しての有力な武器となります。特に原料の違い、大分の麦、熊本のコメ、宮崎の蕎麦、鹿児島の芋は有名ですが、奄美大島の黒糖焼酎は全く違う味です。九州は各地で美味いものがあり、それにそれぞれの種類の焼酎がまた合うのです。これだと苦手な南九州の甘い醤油も気になりません。

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 沖縄の泡盛は蒸留酒なのですが、タイ米と黒麹菌を使い水と酵母を加えて発酵させる製造法を取ります。これが沖縄の料理に合うのです。また、泡盛の中には与那国島の花酒どなん(渡難)の様に中国の茅台酒や五糧液、台湾の金門高粱酒の様に60度級の酒もあります。沖縄の飲み方は中国や台湾と異なり一気ではありませんが、沖縄を案内した中国のお客さんは渡難を沖縄の白酒と言って飲んでおりました。渡難の様なお酒の国際化は可能ではないかと思った次第です。

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